| 「IT化」という言葉は、もう耳にしたことのない方はいないのでは?と思えるほど一般語になってきましたが・・・その意味をきちんと捉え、本当に「IT化」を目指せているか、実現出来ているかと考えると、意外にも多くの方が「いやあ、まだまだ・・・」とおっしゃいます。 2010年の初めの解説にあたって、改めて「IT化とは何か?」を考えてみたいと思います。 IT化?OA化?もう20年、いや30年前だったでしょうか?「OA化」という言葉がもてはやされた時期があったのをご存知でしょうか? 「OA=Office Automation」・・・会社のオフィスで発生する様々な仕事を、最新の機器を導入することで自動化し、オフィスワークを効率良く進めましょう、という意味の言葉です。 さて・・・昨今そこらじゅうで口にされている「IT化」・・・この言葉、「OA化」と何が違うのか、考えたことがありますか? 「IT=Information Technology」・・・これは、なんのことを言っているのでしょう? パソコン導入して仕事を効率良く・・・それはIT化じゃない!IT化というと、多くの方が「会社にパソコンやシステム導入して、事務処理や社内連絡を効率良く行い、無駄を省くこと」・・・というような事を口にします。 けれども、それは、「OA化」じゃありませんか?最新の機器(パソコンやシステム)を入れて、もともと手作業だった経理処理や、社内の回覧を、ネットワーク上で自動化する・・・それでは単なるOfficeAutomation化にすぎませんね。 そう・・・「IT化」と言って多くの方がイメージする事は、「IT化」ではなくて単なる「OA化」なことが非常に多いのです。 「情報」を活用して「経営判断」「企業行動」を変えることIT化が「OA化」とは違う言葉として社会に認知されているということは、その「意味」「指し示す内容」も当然異なるはずなのです。 此処から先は、私(岸本)の独自の解釈なので、「コレが正しい!」と申し上げるつもりは全くありませんが・・・私としては、今後数年間の間、事あるごとに辻説法の方にみなさんに強くお伝えしたい事です。 IT化・・・・パソコンやシステムなどの情報機器と技術を導入する、という意味での「Information」と「Technology」ではないと、私は捉えています。 集積し、蓄積した「情報」をフル活用して「自社の専門技術の向上」に活かす・・・そしてそのことが最終的に「経営判断」や「企業行動」を変える・・・そのためのありとあらゆる情報活用こそが「IT化」だと、私は考えています。 「情報」を元に「行動を変える」とは・・・?もうだいぶ有名なお話なので今更ですが・・・ビールがよく売れる気温、というのをご存知でしょうか?気温が22度を超えるとビールが良く売れ始めるのだそうです。 ある有名な大手スーパーでは、このことをかなり早くから察知していて、各店の店長は、5月頃からそのお店の地域の気温を気にし始め、22度を超える頃になると、「お酒売り場」の隅と裏の倉庫に置いてあったビールの在庫を、一気に店の入口に山積みにするのだそうです。そしてそれは、この会社ではかなり前から、全店当たり前の「企業行動」になっているのだそうです。 これ・・・単に「昨日はビールが良く売れた」「今日は何故だか売れない」と、レジの売上を見ているだけでは、決して気づくことのない「情報」です。何年にも渡り、レジでの一品一品の売上高や売上数を集計し、その上でその日の気温などを記録し続け、膨大なデータとして集積した上で、気づく「傾向」です。 そして、その傾向に気づいたからと言って、それだけでは「活用」した事にはなりません、ね。 スーパーの店頭は、たいていその季節の売れ筋商品を平台置きや積み置きにしてボリューム感を出しますが・・・たいてい夏前は、色々な商材が賑わいます。殺虫剤や冷えピタのような日用品も売れますし、夏野菜もよく売れる・・・そんな中で、大胆に「お酒売り場のビールを、全部店頭へ出す」・・・それは「22度を超える気温になったら、ビールが売れ始める。その情報を元に、売り場の陳列を大胆に変える」という「情報を活用する」という思想があってこその、大胆な企業行動だと言えます(今はもう当たり前になってしまいましたので、そう大胆だとは思えないかもしれませんけれども・・・) 例えばこんな風に、あらゆる情報を何年にも渡って集積し、統計を取り解析することによって、単に理屈や想像で考えただけではたどり着かないような、「事実」や「傾向」をつかみ、それを売上増や、収益増、顧客獲得につなげる・・・そういう思想と行動をとることが「IT化」なのだと、私は考えています。 ■IT化は、まずOA化が実現できていなければ成り立たないだから、IT化と言ったら、単に「パソコンでワープロ打ちができるから効率が良い」とか「ネットで販売できるから、チャネルが増える」というような、目先の「ちょこっと業務改善」のことではないのです。 ただ、そうは言っても、ありとあらゆる「情報」を集積し、そこから「観察し判断すべき傾向を見抜く」必要があるわけですから、やはり情報収集のためには、パソコンや情報機器は欠かせない。 つまり、本当にIT化して経営を改善しようと思うのなら、最低限のOA化・・・単にパソコン入れました、システム導入しましたというだけではなく、それを使いこなし活用できる人材の育成や社内文化も含めてのOA化・・・を実現してからでなければ、IT化にはたどり着かないのです。 ■IT化に結びつかない単なるOA化は慎重に逆に言うと、「単にワープロ打ちするためだけのパソコン」や、「経理や社内連絡を効率良くするためだけのITシステム」は、導入してもあまり意味がないと言えます。 え?どうしてかって? そういう機器は、たいていプロダクトライフサイクル(機器を便利に使える期間・・・寿命みたいなものですね)が短いんですよね。単に事務仕事や経理・社内連絡などの「間接業務部門」の効率を上げるためだけに、数年で入れ替えなければならない機械を入れるなんて、お金の勘定からしても、人材育成の観点からしても、労力ばかりがかかって、「経営」に与することはほとんどありません。 パソコンを入れるなら、システムを導入するなら、ぜひ、「IT化」に結びつくような「OA」として位置づけて、単なる「効率化」のその先を見据えた導入を検討するように心がけましょう。 このパソコンを入れて効率化することが、果たしてIT化につながるのか?経営を、業績を向上させることにつなげられるか?・・・そのことに迷ったら、ぜひ当相談所へご相談ください。
最終更新 2010年 3月 08日(月曜日) 09:03
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