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最終更新日:2007年11月29日

個人事業主として開業 ~その3 素朴な疑問いろいろ~

ずいぶん長い間このテーマの記事をアップしていませんでしたが、その間に何人かの方から素朴な疑問をいろいろいただきました。当相談所の専門外の部分も一部あるのですが、「もしかしたら他の方も疑問に思ってる?」ということや「ああ、そう言われれば確かに疑問だなあ」と思うことなど、いくつかピックアップして解説します(あくまで当相談所でお答えできる範囲ですが・・)

■素朴な疑問その1 個人事業主として開業して、税理士へ依頼をしなかったら・・・?

個人事業主として仕事を始めたら、できれば「開業届を」」という解説を「その1」でしました。開業届は絶対しなければならない義務ではないので、しなければしないでよいのですが・・・では、確定申告などのために税理士さんへ申告や税務処理の依頼はしなければならないの???税理士に依頼しなかった場合はどうなるの・・・?

税理士さんへの依頼も義務ではありません

会社組織(法人格)の場合は違うらしいのですが、個人事業主としての仕事と確定申告なら、税理士さんへ申告や決算の依頼をするのは義務ではありませんから、しなくても構いません。

税理士さんへ依頼した場合としなかった場合はどういう違いが出てくるか・・・以下は、税理士や税務署の方ではなく、申告する側の事業主の目線からの一覧です。

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  税理士へ依頼した場合 しなかった場合
日々の帳簿記録 依頼した税理士さんと打合せて決める(全部税理士さん任せにすることもできるし、基本的に自分でやる、という選択もできる) 原則、全部自分でやる(あるいは家族や雇っている従業員さんなどへ任せる)
確定申告・決算 依頼した税理士さんと打合せて決定。ほとんどの場合、帳簿記録や領収証を税理士さんへ渡して、あとは全部お任せ、という場合が多い すべて自分でやる。確定申告書類の取り寄せ・決算書の作成・伝票や領収書類の整理などの事務処理をおこなって、確定申告会場で申告するか、あるいは電子確定申告などで手続きを行う
事業主の側からみたメリット ある程度「お任せ」できるので、確定申告の時期にあわてることが少ない(もちろん日々きちんと帳簿記録を取っておくことが大前提ですが)
また、万一税務署から税務調査などに入られた場合でも、税理士さんがサポートしてくれる
全部自分でやるので、「決算・確定申告」にほとんどお金がかからない。また、税理士さんに帳簿の記録やお金の出し入れから、私生活の状況や仕事の細かな内容まで知られる、ということがなく、そういう意味での「安心感」はある。
事業主の側から見たデメリット それなりの金額を支払わなければならない。
お金の出し入れや仕事上の細かな内容まで、税理士さんにきちんと説明する必要があって、ある意味では「煩わしい」
万一、決算の数字や帳簿に不備があって(税務署などから)指摘されても、誰も助けてくれない。全部自分で修正したり対処をしなければならない。
いざ、というときの相談に乗ってもらえる相手がいない。

■素朴な疑問 その2 お客様へ渡す請求書や領収証・納品書・・・何か決まりごとがあるんですか?

請求書・納品書・見積書・領収証など、仕事ではお客様とお金のやり取りをするための様々な書類があります。また、委託契約書・請負契約書など、契約に関する書類もあります。これらは商習慣上の書類もあれば、きちんと法律で書式を定められたものもあrます。また、単に目的さえ果たせば書式などの決まりはない、というものもあります。

領収証などは日付がないものは無効だし、3万円以上は収入印紙が必要です。

また、正式な意味での請負契約書や委託契約書などは、厳密に法律上の効果のあるものにするためには書式をきちんとしなければなりませんね。

実際の仕事の内容にもよりますが、よほど「リスクが大きい」と思うような契約や仕事については、契約書や領収証などは法にのっとったものにする必要があります。そういう場合は税理士さんや弁護士さん、司法書士さんなどへ相談しましょう。

けれども、個人事業主で行う仕事の多くは、それほど大きな金額や大きなリスクを伴う仕事ではない場合がほとんど(だろうと思います)ですよね?(1件で億単位のお金が動く、とか、人の命にかかわる、とかそういう仕事は多くないでしょう?)そういう状況下であれば、書類そのものも、厳密な法にのっとったものである必要はない、と当相談所では考えています。また、事実上、そういう考えのもとで5年以上やっていますが、問題になったことはありません。

領収証などのように、単純に「日付が必要」「収入印紙が必要」というような明白なもの以外は、それなりの常識的な書式になっていればOK、と理解するべきでしょう。紙のサイズなども、なにも絶対A4用紙である必要もありませんし、手書きの書類でも、ダメなわけではありません。

■個人事業種って、なんでも経費にするので儲かるってホント?どうやってやるの?

それは「ウソ」です。そういうことはできません。

基本的に個人事業主の「経費」は、「もしその仕事をしていなかったら、絶対に使うことのなかったお金」を使った場合、それが経費として認められるだけです。

よく、「飲み代を接待交際費にして浮かす」とか「旅行へ行った時の電車代を出張費扱いにして浮かす」とか、そういうことを個人事業主じゃない人や、「ズル」をする人から聞くことがありますが、そういうのはほとんど経費として通用しません。(仮にその時は決算で通っても、あとから税務調査などをされれば一発で摘発されます)。そもそも「バレたら後々こわいからやめておきましょう」というのではなくて、そういうことは「すべきではありません」

百歩譲って、「仕事をする上で絶対必要だったから、お客さんとキャバクラ行ったんだ」といって、何万円も経費計上したとしましょう。けど、その経費は会社勤めの人のように「経理からもらえる」というわけではありません。全部、一円の漏れもなく結局出どこは「自分のお財布」から出るのです。たとえそれが本当に正当な経費だったとしても、お金は自分で出さなければなりません。だから、派手にお金を使って、経費計上したとしても、それで「儲かる」なんてことは絶対にないのです。

■商工会議所や地元の業者の集まり・・・入らなきゃいけないの?

これも絶対の義務ではありません。

特に商工会議所などは、入る人が多いようで、何となく「義務なのかな?」というイメージがありますが、これはたんにイメージ。どうしても入らなければならない、というわけでもありません。

ただし、自主的に入っておくメリットはいくつもあります。

地元の異業種の方と交流の場が持てたり、いろいろな情報を商工会からもらえたりします。こういう「横とのつながり」は個人事業種には非常に大切で、しかもありがたかったりもします。会社勤めの方や公務員の方などと違い、「自ら進んでそういう場へでなければ、話す相手すらいなくなるかもしれない」のが個人事業主。そういう意味で入っておくと色々メリットがあるものです。

けれども、自分で必要ないと感じたら、全く入る必要はありませんよ。メリットも、ありがたみも感じないのに言われるがままに入ったりすれば、やれ「年会費」だの、出たくもない「親睦会」に駆り出されるだの・・・イヤイヤになってしまう要素も多々ありますので・・・

さて、今回はいくつか寄せられた疑問・質問にお答えする形の「個人事業種としての開業 その3」でした。次回以降も、さまざまなテーマで「個人事業主のお仕事ってどんなもん?」という事について、解説していきます。

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