Excelで書類のフォーム(ひな形)をつくる
あるお客様からご相談を受けた内容(実例)を元に紹介していきます。何回かのシリーズになると思いますが、その第1回、とりあえず話の概要をご説明します。
「うちの会社では、取引のあるたびに、ほとんど毎回、同じ書式の書類を作り、お客様の住所や名前・必要事項を記入します。1回の取引で作らなければならない書類は何種類もあるのですが、どの書類も形が決まっていて、そのつど入力しなければならない項目は、お客様の名前・住所や取引の日付・内容など決まったものだけです。何度も同じことを入力するのが面倒なので、1回の入力で、複数の書類の同じ内容のところに、全部入力ができるようにしたいと思うのですが、これってExcelでできないでしょうか?
■複数の書類に同じ項目が何回も出てくる
例えば、不動産の賃貸契約の書類などでは、書類の中に何度もお客様の名前や住所、不動産物件の名称などが出てきます。こういった「何度も出てくる項目」を、その都度繰り返し入力する、というのは誰でも面倒なものです。「一度の入力で、済ませられないか?」(具体的には例えば、お客様の氏名・住所などを一度入力すれば、各書類のお客様氏名・住所の欄が全部埋まるようにする、など)と考えるのは、誰でも当然のことだろうと思います。
もちろん、そういった「一度で複数箇所の入力」というのは、実現できることです。そして、そういう場合によく使われるのがExcel。少しExcelをかじったことのある方なら想像できるかもしれませんが、関数や書式の設定などを駆使して、1箇所に必要事項を入力すると、ほかの同じ内容の箇所にも自動で表示されるようにする、ということができます。
■Excelでどうやってやるの・・・?・・・その前に
市販の専用ソフトなどをまず検討しましょう
定型的な書類をよく使う業種・業界では、たいていの場合、「書類をカンタン・便利に作成するソフト」というものが市販で販売されています。こういった市販のソフトを利用できれば、ご自分で苦労してExcelを覚え、書類のひな形を作る手間はなくなります。まずはそういった市販のソフトを利用できないか、検討しましょう。
市販のソフト・Excelで自作、どっちがいい?
このご相談が、実はこのテーマではもっとも多い相談内容です。どちらにもメリット・デメリットがあります。
市販ソフトの主なメリット・デメリット
- 有料だが手軽に利用できる
- 特定の業種・業界向けに作られた専門的なものなので、必要な書類のひな形が一式全部そろっていることが多い
- 書式が決まっていて、自由度のないことが多い(自社独自の書類などに対応できないことが多い)
- 法令や制度など専門的な内容を更新しなければならない場合に、有料な場合が多い(けれども、自分で全部管理しなくてよい分、楽といえば楽)
Excelで自作の主なメリット・デメリット
- 自社独自の書式やひな形が作成できる
- 自由度が非常に高い
- Excelの操作や機能を、ある程度熟知している必要がある
- 書式の変更や法令などの管理をすべて自分で行わなければならない
メリット・デメリットはこれだけとは限りません。業種・業態や必要な書類によって、いろいろ事情が異なります。Excelで作りこむか、それとも市販のソフトを探してきて利用するか、は最終的にはご自分で判断しましょう。その上で・・・
■Excelでやる方法はいくつかあります
シートと関数を利用して作りこむ
多分一番取り組みやすい方法です。書式を必要な分だけ作成、関数やシート・セルの書式設定などを上手く利用して「1回の入力」で必要な箇所すべてに入るようにすることができます。
マクロ・VBAを利用して作りこむ
シートと関数の利用だけの場合よりも、より自由度が高くなります。ただしマクロやVBAなど、少し専門的な知識を習得しなければならないので、少しハードルが高いです。
今回ご案内するこのコーナーでは、専門的な知識を必要とする「マクロ・VBAの利用」の方ではなくて、比較的ハードルの低い、「シートと関数を利用して作りこむ」方法をご説明していきます。
■比較的簡単・・・といっても基礎知識は徹底的に必要
マクロ・VBAの利用よりはカンタンにできます。けれども、「初心者でもカンタンに」というわけではありません。パソコンの基本操作や知識、Excelの基本操作や知識は、習得されている必要がありますので、あらかじめご了承ください。(それぞれの説明箇所で、必要な知識や操作方法をご紹介していますので、そのつど覚えていっていただく、という取り組み方もできます)
それでは早速、はじめましょう→次へ