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最終更新日:2007年4月4日

ICT(IT)のスキル・パソコンの操作能力を判定するには?

「従業員を募集することになりました。パソコンの操作が出来る人を採ろうと思っているのですが、面接や採用試験の際に、「その人が実際にパソコンを使った仕事をこなせるかどうか?」をきちんと判定できないものでしょうか?パソコン検定1級を持っています・・・なんて言うから信頼して採用したら、ぜんぜん出来なかった、というような話も聞くので心配です。」・・・というご相談を受けた際にアドバイスさせていただいた内容。スタッフを募集する際にICT(IT)能力をきちんと見極めるためのポイントを解説しています。

■自社の求める能力と、一般的に認められる能力とは一致していない

一般的なパソコン検定やICT関連の資格認定は、「一般的に通用するパソコンの使い方・Word・Excelの使い方などが出来ているかどうか?」を基準に判定します。けれどもそれは「世間一般」の話。自社内でパソコンを使って行うべき業務や作業が、世間一般で言う「普通に使える範囲」と寸分違わず一致しているということは、まずあり得ません。必ず過不足が生じているはずです。人材採用・教育・配置転換などの場合には、この事を前提として検討するようにしましょう。

能力範囲の相関図

右図を参考にして考えてみてください。(集合図としてはあまり正確な記述になっていませんがご勘弁を)

  • A:最低限必要な基礎知識・能力
  • B:一般的な検定や資格認定で認められる知識・能力
  • C:自社で必要とする独自の知識・能力

新規に人材を募集する場合などを思い浮かべていただくとわかりやすいのですが、応募者はどんなに能力があったとしても、AとBの部分しかクリアできません。C(自社で必要とする独自の能力)は、自社内での社内経験をつまなければ身につけることが出来ないからです。

この点を理解していないと、面接時に「パソコンは一通り操作できます」と言った人を採用した後、入社後いきなり自社でしか使わないような特殊な書類やデータを渡して「やっておいてね」なんて事になりかねません。結果的に、その人からは「あのお~、書類の意味が良くわからないんですけど・・・」なんてことになったりするわけです。

また、普通の文書作成などでも、「一般的にはやらない文書作成の仕方」などをしていたりすると、戸惑ったりすることがあります。例えば、「普通はどう考えてもWordで作るだろう」と思うような文書を、なぜか「PowerPoint」で作っていたり・・・なんてこともその例です。このような場合は、客観的には「どちらかというと、その会社の事情のほうが特殊だから、新しく来た人にいきなりやれ、というほうがかわいそう」です。

したがって、図の例に沿って考えると、人材の採用や、教育・配置転換などの際に求めるべき能力・知識は、まずは「BとCに共通する部分」に重点を置くべきだということになります。

もう少しわかりやすく言えば、

  • 自社内で使ったり処理することがないのなら、Excelのマクロなどを流暢に操作できる能力があっても評価すべきではないし、逆に
  • 自社でしか使っていないような特殊なソフトや、特殊なやり方の処理については、出来なくて当たり前だと判定すべき

だと思うのです。

■知識と実際の能力は全く別モノ

「知識を豊富に持っている」ということは悪いことではありませんが、そのことと「必要な作業を実際にできるかどうか?」は全く異なります。一般的な検定試験などでWord・Excelの操作をスラスラとこなせたとしても、それは実際の実務で文書を作成したり、帳票を作ったりする能力がある事の証明にはならないのです。

実務の能力をきちんと判定するためには、

  • 限られた時間内で
  • 限られた環境・条件の中で
  • 御社が認める最低限のレベルをクリアできるかどうか?

に着目して判断するべきです。

例えば見事な帳票をキレイに作成できたとしても、作業に時間がかかりすぎては意味がありません。また、画像編集やWebデザインなどの専門知識があったとしても、「○○ソフトでなければできない」というような事ではその能力が発揮できないこともあります(ソフトがなかったら何も出来ませんものね)。自社内で使っていないソフトを操作する能力は、どんなに優れた能力でも、自社の採用時や教育時に評価するわけにはいかないのです。

■判定する方にも能力が必要

残念ながら、既存の自社スタッフが、客観的に新しいスタッフの能力を判定できるとは限りません。(最初に挙げた能力図の必要範囲を全てクリアしている、とは限らないからです)

ICT・PCの能力判定には、単にIT分野の知識だけではなく、自社内の業務・作業をも含めて、各分野を体系的に理解・習得している方の判断が必要となります。

■実際のパソコン試験などのポイント

パソコン検定やICT資格試験ではないのですから、パソコン検定の試験問題をそのままやっても全く何の意味もありません。自社にとって有用な人材を見極めるには、基本的には次のようなポイントを踏まえてパソコン試験などを行うと良いでしょう。

  • パソコン操作・処理の設問は、ごく初歩的なレベルの問題を2~3問程度出しておく。
  • 実際に文書を処理させたり、データ入力させる作業の問題には、自社で実際に使っている文書のテンプレートなどを利用する問題と、何の関係もないごく一般的な文書や表を作らせる問題をそれぞれ必ず入れておく。
  • 可能な限り、問題の設問に「この問題は、時間内に終えることを優先してやってください」とか「この問題は、何よりも正確なことを優先してやってください」などと、条件をつけるようにする
  • 出来れば、試験の際に、判定者が受験者の操作の様子や処理の手順などを見て評価できるようにしておく。

備考:最終的には自社独自で慎重に判断を

上記のアドバイスは、あくまで「なるべく多くの方に共通するように」と抽出したアドバイスです。これだけでOKとはとても言い切れません。個別の会社の状況や事情などが色々含まれてきます(既存の従業員との能力差や、年齢・性別構成なども影響することがあります)。無責任なようですが、最終的には自社独自の慎重な判断をするよう心がけてください。

ちなみに、パソコンやICTを使いこなす能力のことは「コンピュータ・リテラシー」といいます。個別の能力レベルを指すことの多い「スキル」という言葉とは少しニュアンスが違います。覚えておくと何かの参考になるかもしれませんね。

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