検証!電子確定申告2004 ~電子確定申告って?~
当相談所の管理人、ある知り合いの税理士さんから「今年から電子確定申告が始まるよ。君もやらない?」と誘われて、電子確定申告にチャレンジ!する事になりました。このページでは、今回行った電子確定申告の一連の悪戦苦闘ぶりを、体験記風にまとめたものです。電子確定申告にかかわる方に、少しでもお役に立てれば幸いです。
なお、電子確定申告の詳しい内容や正式な手続きなどの説明は、国税庁「国税電子申告・納税システム(e-tax)のホームページでご覧いただけます。当サイトのコーナーでは、実際にどんな手続き・作業だったか、に焦点を当ててご案内していますのでご了承下さい。
■電子確定申告って・・・・?
そもそものきっかけは、友人で税理士の芹澤光春君より「平成15年度の確定申告から、電子確定申告が出来るようになるよ、君もやらない?」とお誘いを受けた事から始まりました。「電子申告」と聞いて、「あ、住基ネットを使うやつだな」とピンと来て、職業柄これは体験して内容を把握しておかねば!と思い、チャレンジする事になりました。
けれど思い立ったその日に、早くも疑問が・・・・「電子確定申告って、なにをどうやるんだ?」・・・きっとこれは、電子確定申告に関心のある方なら、まずはじめに思う疑問だと思います。そこで、誘ってくれた芹澤君に聞いてみたところ、以下のような事でした。
電子確定申告とは・・・
- 確定申告をしなくてはいけない方の、確定申告手続きを、インターネットを通じて行う電子手続きです。
- 毎年確定申告の時期に、税務署や確定申告会場へ出向いて行う、確定申告書類の提出を、自宅や事務所のパソコンからデータ送信という形で行う事の出来る手続き方法です。
- 年度末の忙しい時期に、確定申告会場へ行って何時間も待ったり、間違いがあって何度も行ったりという煩雑で時間のかかる手間を省く事が出来ます。
ただし、全ての手続きを、自宅(あるいは事務所など)に居ながらにして行えるわけではなく、添付書類として提出しなくてはいけない書類は、電子申告手続きの後に税務署へ持参するか郵送しなくてはならない、との事でした。また、税理士の先生に申告をお願いしている方は、そもそも確定申告の作業を負担する事がありませんので、電子確定申告を行うメリットは、現在のところはまだないように思います。
■電子確定申告を始めるにあたって・・・
電子申告を行うのにあたって、確定申告の時になって「自分は電子確定申告をします」と言えばよいわけではないようでした。事前に申込をする必要がありました。私の場合、手続きは以下の経緯で行いました。(手続きの正式な手順・方法については→国税庁のHPへ)
(1)税務署へ開始届出書を提出
電子確定申告を行うためには、事前に開始届けを出す必要がある、とのことでした。私が電子確定申告をやろうと思い立ったのが2003年の12月下旬、年末も押し迫った頃で、「事前開始届け」の締め切りが、1月9日に管轄税務署必着、だと知り、大慌てでした。
(2)住基カードを発行する・・・?
税務署へ開始届けを提出しに行った際に、担当の方に聞いたところ、税務署へ開始届けを出すだけでは電子確定申告は出来ない、とのことで・・ガーン・・・・・大慌てで届出書類を作成してきたのに・・・・。いわく、「お住まいの町の役所へ行って、住基カードを発行してもらって、電子認証を取ってください」・・・・???電子確定申告をするためには、住基ネットのカードがいるの・・・?電子認証って?
後で冷静になって考えたら、もっともな話でした。確定申告のデータを送信する際に、「この確定申告データは確かに申告者本人に間違いないですよ」ということを、オンライン上から証明するためには、電子証明が必要で・・・その電子証明は国が公に発行しているものでなくてはならない、ならやっぱり住基カードは必要でしょう、ということなんですな。
(3)いざ、市役所へ住基カードを取りに・・・!
ということで、税務署へ出向いたその足で市役所へ向かいました。市民課へ行って「住基カードを作りたいんですが・・・」とたずねたところ、とても丁寧に対応してくれました。
しばらく待っていたら、担当の若いお兄さんが出てきて、
「では、住基カードの発行手続きを行います。顔写真はお持ちですか?」・・・・え?・・
「顔写真入りのカードを作る事も出来るんです。もしお持ちでなければ、今ここでデジカメで撮影して差し上げますよ」・・・・ヤバイ、そんな事考えてなかったので、服装も髪型も・・・・・けどまあ、いいか?・・・
「あ、じゃあ写真撮影、お願いします。」・・・・カシャッ・・・・ そうこうするうちに、すぐに手続きが終わり、そのお兄さんが、
「では、カードをご使用になる際の暗証番号を、このテンキーで入力して下さい」と言うので、素直に暗証番号を入れました。ピッピッピッピッ・・・4ケタ・・・けど4ケタじゃあなんだか心もとないなあ・・・・で、出来上がってきたのが右のカードです。 カード発行後、引き続き電子認証の登録を行いました。これもわずか数分のこと。
カウンターに座って、カードを挿入する機械に入れ、担当の方の指示に従って、暗証番号(カード利用の時の暗証番号とは別でした)を入力して、終了しました。 最後に、「公的個人認証サービス利用者クライアントソフト」というCD-ROMをもらいました。
「これをパソコンにインストールして、電子認証の手続きを行ってください」とのことでした。どうやらカードに埋め込まれた四角いチップに電子認証用のデータが入っていて、パソコン上で手続きを行う際に、このソフトを起動してパスワードなどを入れるようです。 とにかく、これでやっと、住基カードを取得し終わりました。次にやるのは・・・・
(4)電子確定申告・納税ソフトe-taxのインストール
事前の開始届けを提出してから1ヶ月ほど経った2月のはじめに、税務署から、「電子申告・納税等に係る利用者識別番号等の通知書」という書類と、電子申告・納税システム「e-tax」というソフトが郵送で届きました。
これをインストールすれば、電子確定申告の準備は整った!も同然です。・・・・実はこのときはそう思っていたのですが、もう一つ、落とし穴があったことに、後で気づきました・・・それは・・・
(5)ICカードリーダーが手に入らない!
住基カードと電子認証の手続きを市役所へしに行ったときにもらったパンフレットを読んでいたら、「電子認証を行うには、住基カードを読み込むICカードリーダーが必要です。別途購入してください」とのこと。そりゃあ当然だよね、と思いながら、パンフレットに記載されていた「動作確認の取れているカードリーダー一覧」の表を読んでいて、・・・・!ヤバイ!!!・・・と初めて気がつきました。(実はこのとき2月20日・・・確定申告はもう開始していました)適合するICカードリーダーを製造しているメーカーは数社ありましたが、ほとんど全てのメーカーが「法人向けにしか販売していない」「販売ルートが整備されていないので、発売予定は未定」「2月中に販売開始予定」と、要するにすぐには手に入らない・・・・!!オタオタしていると、確定申告そのものが間に合わない!これには慌てました。税理士の芹澤君たちは、税理士会などがかなり以前から、手配してくれて購入が出来ていたようですが・・・あわててリストに載っているメーカーの問合せ先へ電話したりHPを検索したり・・・で、唯一「アテナスマートカードソリューションズ」という会社だけが、すぐに手配できそうな会社でした。早速オンラインショップから注文しました。カードリーダーが届いたのは、その3日後でした。株式会社アテナスマートカードソリューションズに感謝感謝です。案内に載っていた他のメーカーは、問合せをしてみましたが、全てのメーカーで「すぐには手に入らない」旨の回答でした。はっきり言って、これでは今回リストに載っていたメーカー・会社は今後ほとんど信頼できないなあ、と思いました。・・・文句を言っているわけではありませんが余談まで・・・
(6)これでやっと、事前準備完了!
これで事前準備完了!あとは、正月明けに税理士の先生(芦川会計事務所・芦川稔先生)にお願いしてあった、決算書・確定申告用の書類などが出来上がってくるのを待つだけでした。
そして2月16日、税理士の先生から「出来上がったよ」との連絡を受けて、早速書類を取りに行き、自宅へ戻ってきて、さあ「電子確定申告の開始!」・・・ここから先は、「ドキドキのe-Tax」のページで紹介します。→「ドキドキのe-tax」
■余談ですが・・・
実は電子確定申告を行うのにあたって、情報を提供してくれた友人の芹沢君からは、「まだ始まったばかりなので、君の顧問税理士の先生からは、敬遠されてしまうかもしれないよ?」という忠告を受けていました。このため、芦川先生に「実は電子確定申告をやろうと思っています」というお話を初めてしたときには、かなり不安だったのですが、芦川先生をはじめとする芦川会計事務所の方々は、こういった私どもの相談・要望をとても快く引き受けてくださり、また積極的にご相談にのってもいただけました。本当に感謝しています。
■備考
住基ネット・住基カードについて
今回のご紹介の「住基カード」と聞いて、眉をひそめた方もいらっしゃった事でしょう。そう、あの悪名高い、住基ネットを利用するものです。実は当相談所管理人も、元々住基ネットには大反対でした。今回の電子確定申告がなければ、カードなんて作っていなかったと思います。けれど、どうやら時代と状況は、これらを利用しないとどうにもならなくなってしまいそうな流れになっているようです。是か非かは別として、とにかく利用してみて、良い点悪い点を、きちんと検証する事の方が大切で、とるべき道だと考えて、あえて住基カードを発行して利用する事にしました。・・・・かなり抵抗はあってんですけれどね・・・。
税務処理・会計処理を全部やるわけじゃないのでご注意を!
ある知り合いから「電子確定申告をするには、コンピューター会計ソフトが必要なんだろ?」と言われて、「あ、こういう誤解があるのか」と気づきました。電子確定申告は、「確定申告」だけを電子手続きで行うものなので、「○○会計」「勘○奉行」といった会計ソフトは必要ありません。私の場合も、決算書類を作ってもらうところまでは、全部税理士の先生(芦川稔先生と、芦川会計事務所のスタッフの方々)にお願いしました。自分のパソコンの会計ソフトは、ぜんぜん使っていません。
逆に言うと、「確定申告」をする前までの会計処理・税務処理は、今までどおり全てやらなくてはいけないので、充分ご注意を!